はじめに
こんにちは!
去年の2024年7月に結婚式を行いました。初めてなので、いろいろ戸惑いながらも無事終わることができました。今回は、挙式、披露宴に向けての裏話などを解説していきます。
挙式まで
式場選び
結婚式を挙げる約1年前の2023年9月ごろから準備を進め始めました。最初は「ゼクシィフェスタ」など会場に行って決めようと思ったのですが、式場を決めるポイントは次のように決めていき、ネット検索で決めていきました。
- 規模感
- 親族のみを招待するので、少ない人数でも問題がないような場所
- 実際にそこで挙式を挙げた人の過去エピソード(みんなのウェディング)などを参考
- 雰囲気
- 緑が多く、温かみがある、明るい
- 値段
- リーズナブル(クーポンが使える場所など)
いくつか候補は絞り、事前に電話で、式を挙げたい日に予定が取れそうかなどを確認してから向かうという形をとりました。1つ目に見学で行った場所がとても良い雰囲気であったため、もうそこで決まりました。
見学に行くと予算やどういう挙式を望んでいるかヒアリングがあり見積書が提示されます。やや低めの値段をお伝えしましたが、やはり厳しいのか少し上の値段を提示されました。ただ、納得がいく値段だったのでそこで決めることとしました。指輪購入店のクーポンも利用できる場所でもあったので良かったと思います。ちなみに、この見積もり、かなり正確でして、最終的な金額と2000円近くの差となり、奇跡的な見積もりでした。
リーズナブルに
式全体でリーズナブルにする工夫をしました。
- 式場のものをできる限り利用する
- 式場に花などがすでにおいてあり、それらを使うことでこちらで用意せずに済むようにしました。
- 写真は自分たちで用意する
- 写真を撮ろうとすると、プロのカメラマンを雇う必要があり、10万かかります。
- そのため参加者たちに写真は自由に取るような形としました。
- エンドロールムービーは作らない
- エンドロールムービーとは結婚式の中で撮った写真を最後に流すやつなのですが、これも結構お金がかかりますし親族だけなので止めました。
- ウェディングアルバムは作らない
- こちらもプロにお願いするとお金がかかるので不要としました。
- お色直しを工夫する
- 男性であればジャケットを脱ぐ、リバーシブルのベストを選んで裏返すなど、女性であればドレス全体を変えずにアクセサリを替えたり、工夫しました。
- 来場者の服装は自由
- 親族だけということでラフな格好を許可する形としました。そのため燕尾服など、レンタルしなくてもよくしました。
- ウェディングケーキ中止
- ウェディングケーキは5万円ほどするため、別の代わりになるものとしました。
- 作れるものは自分たちで用意する
- 自分たちで作れるものは用意しました。
以下は、自分たちで用意した部分です。詳細は後ほど説明してきます。
- 挙式前の招待状システム
- html(materialize)+js+phpで作成
- 挙式前のバス連絡サイト
- html(materialize)で作成
- 挙式中に使用する座席札と座席表
- Inkscape で作成
- 印刷は Affinity Designer 2 を利用
- 挙式の入口のウェルカムボード
- 挙式で使用する結婚証明書
- 人前式のためそれ用に準備
- 挙式中に流す生い立ちムービー
- スライドショーの動画作成 PowerPoint
- パワポで書きだした動画に文字入れなど TMPGEnc Video Mastering Works 7
- ブルーレイ作成 TMPGEnc Authoring Works 7
- 挙式中に使用する出し物
- PowerPoint
- クイズ準備
- 挙式後の動画/写真展開サイト
- Piwigo で構築
- 挙式後のウェディングアルバム
- RawTherapee で現像し、カメラのキタムラで印刷
次のようなツールなども利用しました。
- ブライダルアドバイザー/アイデアなど
- OpenAIのGPT-4
- ウェブサーバー
- 画像素材
- OpenAIのDALL-E 3
- Stable Diffusion Web UI の stable-diffusion-xl-base-1.0
- 写真補正
- 現像は RawTherapee
- ちょっとした補正は Affinity Photo 2
- 写真AI補正(高画質化、消えている部分の追加)
- Stable Diffusion Web UI
用意したもの
挙式開始まで色々なものを用意したので紹介します。
招待状
今回は親族だけの参加ということで参加者は事前に分かるわけですが、交通手段やアレルギー情報などを整理するために改めて招待状を用意することとしました。
招待状は手作りで温かみがあるように、サーバーから手作りで準備することとしました。
GPT4を駆使して下書きを大まかに作成して、どちらの案がいいかを決めていきました。最終的に、堅苦しくない結婚式が良いという形で右の案を採用しています。
最終的に次のようなデザインで作成しました。どんなサイズのスマホやPCからでも奇麗に表示ができるように、materializeのフレームワークを利用して作成します。
親族しか利用できないようにするためセキュリティ対策は全然していませんが、こんな感じで情報をphpで書き込みする感じにしています。
/** * 指定したIDのデータへ情報を書き込む * @param {string} id * @param {AttendanceRecordData} data */ const saveRecordDataToFile = function (id, data) { const xhr = new XMLHttpRequest(); const url = "./php/main.php?id=" + id + "&type=save&data=" + encodeURIComponent(JSON.stringify(data)); xhr.addEventListener("readystatechange", () => { if (xhr.readyState === 4) { if (xhr.status === 200) { M.Waves.renderWaveEffect( document.querySelector(".form"), // Target Element null, // Position {x, y} { r: 255, g: 0, b: 0 } // RGB Color ); M.toast({ text: "データを送信しました" }); } else { M.toast({ text: "エラーが発生しました [エラーコード = " + xhr.status + "]" }); } } }); xhr.open("get", url); xhr.send(); }; var id = decodeURIComponent(location.hash.substring(1)); const attachEventSubmitButton = function () { const button = document.getElementById("submit_button"); const listener = function () { try { saveRecordDataToFile(id, getRecordDataFromForm()); } catch (e) { M.toast({ text: "エラーが発生しました [" + e + "]" }); } }; button.addEventListener("click", listener); };
phpの一部はこんな感じです。common.php
は自分用のライブラリです。本当にデータを受け取って読み書きするだけのものです。
include dirname(__FILE__)."/common.php"; $id = isset($_GET["id"]) ? $_GET["id"] : ""; $type = isset($_GET["type"]) ? $_GET["type"] : ""; $data = isset($_GET["data"]) ? $_GET["data"] : ""; if(!preg_match('/^[a-zA-Z0-9_]+$/', $id)) { http_response_code( 400 ) ; } if ($type == "load") { $file = new File(dirname(__FILE__)."/../save/".$id.".json"); if($file->isFile()) { echo rawurlencode($file->getText()); } else { http_response_code( 404 ); } } else if ($type == "save") { if(preg_match('/^.+$/', $data)) { $file = new File(dirname(__FILE__)."/../save/".$id.".json"); if($file->isFile()) { $file->setText(rawurldecode($data)); } else { http_response_code( 404 ) ; } } } else { http_response_code( 400 ) ; }
jsonはこんな感じです
{ "title": "〇〇家", "users": [ { "name": "〇〇 〇〇", "attended": "出席する", "message": "~がアレルギーです。" } ], "transportation": "自家用車", "message": "結婚おめでとうございます。" }
案内状
バスでの参加者用のサイトも準備しました。こちらもmaterializeのフレームワークを使用しました。
座席札
素材準備
DALL-Eを使用してデザイン案を作りました。鳥の絵も使いたかったので、色々な絵を用意しました。
鳥や区切り線などは素材化するために Inkscape を使用してベクター画像に変換、整理を実施。
デザインに使えそうな部分は Stable Diffusion Web UI で高画質化しました。例えば、カードの以下のような部分を抽出。
これを、 stable-diffusion-xl-base-1.0 の img2img で DALL-E で作成時のファイル名のプロンプトを参考に高画質化していきます。
Create background illustration for a wedding ceremony place card that is even simpler, focusing primarily on greenery with minimal floral, masterpiece, featuring a watercolor-style, colorful, white simple background,
Steps: 20, Sampler: Euler a, CFG scale: 12, Seed: 1138996190, Size: 1024x1024, Model hash: 31e35c80fc, Model: sd_xl_base_1.0, VAE hash: 500ea30284, VAE: sdxl_vae.safetensors, Denoising strength: 0.5, Version: v1.6.0
Create a versatile and user-friendly digital background material for a wedding place card, featuring a watercolor-style illustration
Steps: 20, Sampler: Euler a, CFG scale: 12, Seed: 4158499218, Size: 1024x1024, Model hash: 31e35c80fc, Model: sd_xl_base_1.0, VAE hash: 500ea30284, VAE: sdxl_vae.safetensors, Denoising strength: 0.5, Version: v1.6.0
ドローソフトで組み立て
Inkscapeで作成していきます。鳥を上に着けることで、折り曲げる際に鳥を飛び出すことができるようなデザインを最初考えました。
最終的にいろいろいじって、次のような案に決めました。色々素材を用意しましたが後のメニューで使うことにします。
Inkscapeでの印刷は不安定のため、Affinity Design 2を使用して印刷しました。(Affinity Design 2の印刷機能も不安定ですが、Inkscapeよりは安定している)
挙式の前日に Tank you という文字になっていることに気が付き、全印刷やり直すタンキュー事件が発生しました。気が付かないものですね。
メニュー表
各テーブルに配るメニュー表を作りました。
左にメニュー、右に座席表をというデザインとしました。
- メニュー
- 事前に料理長と相談して決めています。
- ここは安くしてもいいとか、いろいろバランスを見て、ゲストにおもてなしを優先して決めました。
- 座席表
- 結婚式で初めてあう親族同士もあるため、名前を覚えやすいように机に誰が座っているかという情報を入れました。
出し物の準備
ゲストにはお子さんも来るため、飽きさせないような工夫としてクイズやプレゼントを用意しました。
格付けクイズ
クイズは格付け風のものを用意しました。参加者が楽しめるように次のようなクイズとしました。
- 新郎と新婦が書いた習字の文字を当てるクイズ
- 新婦が描いた絵と有名画家が描いた絵を当てるクイズ
- どちらが高級チョコかを当てるクイズ
ちなみに名古屋にちなんだクイズ(しるこサンド)も考えましたが、味で分かるため却下しました。
参考ですがGPT4の案だとこんな感じです。
クイズ1: 名古屋名物
質問: 名古屋の名物料理である「味噌カツ」の特徴はどれ?
特製の白味噌ソースをかける
特製の赤味噌ソースをかける
答え: 2. 特製の赤味噌ソースをかける
クイズ2: 観光スポット
質問: 名古屋城の天守閣には何がある?
黄金の鯱(しゃちほこ)
白銀の鯱(しゃちほこ)
答え: 1. 黄金の鯱(しゃちほこ)
クイズ3: 伝統工芸
質問: 愛知県の伝統工芸である有名な焼き物はどれ?
有田焼
常滑焼(とこなめやき)
答え: 2. 常滑焼(とこなめやき)
これらのクイズもイベントで楽しんでいただけると思います。子供たちが地域のことを学びながら楽しめるような内容になっていますので、ぜひご利用ください。
プレゼント
たくさんのお菓子や玩具などを詰め込んだプレゼントボックスを用意しました。クイズとは関係なしに最初に配りました。ドット絵の宝箱のダンボールを使って、詰め込みました。子供たちも喜んでいました。
生い立ちムービー
案出し
結婚式といえば生い立ちムービーです。GPT4くんにザックリどんなものかを考えてもらってから準備を始めました。
写真の選び方
時系列を意識する: 幼少期から現在までの重要な瞬間を順番に並べることで、ストーリー性を持たせます。
多様なシーンを選ぶ: 家族との写真、友人との写真、学校生活、旅行、趣味など、多様なシーンを取り入れることでバラエティ豊かな内容にします。
感情を引き出す写真: 笑顔や感動的な瞬間など、見る人の感情に訴える写真を選びます。
プロポーズや二人の特別な瞬間: 二人の絆を感じさせる写真を含めます。
親族や友人との写真: 重要な人たちとの写真を入れることで、感謝の気持ちを伝えます。
写真の枚数
スライドショーの適切な長さは5〜7分程度が理想的です。以下に写真の枚数の目安を示します:
イントロダクション(1〜2枚)
二人の名前と結婚の日付を表示する写真
幼少期(3〜5枚)
幼少期の写真、家族との写真
学生時代(5〜7枚)
学校生活や友人との写真
社会人生活(5〜7枚)
仕事や趣味の写真
出会いから恋愛の過程(5〜7枚)
デートや旅行の写真
プロポーズの瞬間(2〜3枚)
プロポーズの写真
エンディング(2〜3枚)
二人の未来を象徴する写真
合計
およそ25〜35枚程度の写真を目安に選ぶと良いでしょう。
写真選びのポイント
高品質な写真: 解像度が高く、鮮明な写真を選びます。
バランス: 全体のバランスを考え、特定の時期やイベントに偏らないようにします。
キャプション: 各写真に簡単なキャプションや説明を付け加えることで、視聴者が内容を理解しやすくなります。
長すぎるの問題であるため5分程度に抑えることとし、最終案としては次のようにしました。
- OP 1スライド
- 新郎 12スライド
- 新婦 12スライド
- 出会 10スライド
- END 1スライド
素材集め
写真集めを行いました。写真は古いものは解像度が足りなかったり、16:9には合わないような写真があったため、Stable Diffusion Web UI で高解像度化、16:9の補間化を行いました。
スライド作成
最初から動画作成ソフトを使うと手直しが大変であるためパワーポイントを活用することにしました。パワーポイントはUIが優れている、時間配分の設定やスライドの移り変わり、画像のアニメーション、動画ファイル書き出しも可能なので、かなり便利です。
音楽と文字とタイミング調整
文字のアニメーションや音楽などはパワーポイントでは難しいため、ここからは TMPGEnc Video Mastering Works 7で作成していきます。
mp4で書き出しをして、<video src="video.mp4"></video>
のように埋め込みをすることで、第三者の確認もスムーズに行えます。
ブルーレイ作成
フルHDのmp4を、ブルーレイプレイヤーで再生するために、TMPGEnc Authoring Works 7で作成していきます。メニューは用意せずに、ブルーレイを読み込ませたら即再生するような設定で作っていきます。
結婚証明書
人前式ということで結婚証明書を準備しました。ウェディングツリーというものを利用しました。インクはアートニック製スタンプパッドを東急ハンズに行って探してきました。
ウェルカムボード
後で家でも飾れるように「to my home 〇〇」という文字にしました。素材は100均とメルカリで準備し、ホットボンドでくっつけていきました。とても可愛らしく仕上がり満足です。
リングピロー
リングピローには、私が好きなカービィを設置することにしました。カービィとワドルディに細工してこんな感じのものを用意しました。
写真と動画の公開サイト
今回カメラマンを雇わなかったため、結婚式が終わってからゲストから写真や動画をいただきました。これらをゲストたちに公開するために、さくらサーバーにPiwigoで動画/写真展開サイトを構築しました。ここは一から作ろうとすると、モバイル端末対応が大変なので、ツールを頼って準備しました。
おわりに
下準備の説明などで、記事がいっぱいいっぱいになったので、結婚式の日のことは、また時間があるときに追加したいと思います。
安く済ませようと一から色々準備したのですが、大変な1年でした。でも忘れられない思い出になったと思いますし、ゲストたちも喜んでくれてとても良い結婚式になりました。
今回ブライダルアドバイザーとして、OpenAIのGPT4を課金して利用していました。いろいろとアドバイスをもらったり、素材の一部を作成してくれたり本当に助かりました。結婚式が終わった後は解約しようと思っていたのですが、あまりに便利だったのでまだ使っています。
最後まで見ていただき有難うございます。
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