はじめに
こんにちは。2024年3月にVRChatを始めて当初からフルトラ化を検討していたのですが、周りがどんどんフルトラになり、ついにHaritoraXワイヤレスを導入したのでその時の概要をまとめたいと思います。
フルトラ環境としてはOculusRiftの外部センサーかつ有線式の煩雑さから、MetaQuestを購入しており、それに合わせてフルトラ用機材も同様の無線のHaritoraXワイヤレスを選択しました。
ここでの情報は MetaQuest とHaritoraXワイヤレスを組み合わせた時の話をしていきます。また2024年6月5日現在の話であり、今後他の良い方法が出てくる可能性があります。
今回説明する方法は、シェルベージュ様が紹介している方法となります。私の記事では概要を説明しています。
シェルベージュ – Virtual Desktop(Quest) + HaritoraX Wireless(足、膝のみ)+SlimeVRで快適11点フルトラになる
通常の導入と問題点について
ハリトラXを導入していない状態
HaritoraXを導入前は光学式3点(+カメラ)を元にVirtualDesktop側で推定してSteamVRのViveトラッカーとして動作させていると思います。
Viveトラッカーとは
SteamVR設定のトラッカーの管理から確認できます。
以下のようVirtualDesktopの仮想トラッカーがViveトラッカーとして認識されます。緑色が接続、赤色が未接続を表します。
通常だと以下のような設定になっていると思います。
Viveトラッカーデバイス名 | 動作※ | 設定値 |
/devices/VirtualDesktop/chest |
緑 | 胸 |
/devices/VirtualDesktop/hips |
緑 | 腰 |
/devices/VirtualDesktop/left_ankle |
赤 | 左足首 |
/devices/VirtualDesktop/left_arm_lower |
緑 | 左肘 |
/devices/VirtualDesktop/left_arm_upper |
緑 | 無効 |
/devices/VirtualDesktop/left_foot_transverse |
緑 | 左足 |
/devices/VirtualDesktop/left_hand_wrist |
赤 | 左手首 |
/devices/VirtualDesktop/left_lower_leg |
緑 | 左膝 |
/devices/VirtualDesktop/left_scapula |
赤 | 左肩 |
/devices/VirtualDesktop/right_ankle |
赤 | 右足首 |
/devices/VirtualDesktop/right_arm_lower |
緑 | 右肘 |
/devices/VirtualDesktop/right_arm_upper |
緑 | 無効 |
/devices/VirtualDesktop/right_foot_transverse |
緑 | 右足 |
/devices/VirtualDesktop/right_hand_wrist |
赤 | 右手首 |
/devices/VirtualDesktop/right_lower_leg |
緑 | 右膝 |
/devices/VirtualDesktop/right_scapula |
赤 | 右肩 |
※動作についてはMetaQuestのバージョン等によって変わる可能性があります。例えば、私は持っていないですがMetaQuest3では手首のhand_wrist
も緑色になっているかもしれません。
ハリトラX ワイヤレスを導入した場合
先ほどの光学式3点に、HaritoraX ワイヤレスのIMU方式の6点(左足、左膝、右足、右膝、腰、胸)を追加すると以下の感じになります。ここで胸と腰の扱いが2重になってしまう問題が発生します。
追加されるViveトラッカーデバイスは以下のようになります。
Viveトラッカーデバイス名 | 動作 | 設定値 |
/devices/haritora/HaritoraChest |
緑 | 胸 |
/devices/haritora/HaritoraLeftElbow |
赤 | 左肘 |
/devices/haritora/HaritoraLeftFoot |
緑 | 左足 |
/devices/haritora/HaritoraLeftKnee |
緑 | 左膝 |
/devices/haritora/HaritoraRightElbow |
赤 | 右肘 |
/devices/haritora/HaritoraRightFoot |
緑 | 右足 |
/devices/haritora/HaritoraRightKnee |
緑 | 右膝 |
/devices/haritora/HaritoraSpine |
緑 | 腰 |
腰、胸についてですが、IMU方式のハリトラXと、光学式を使用したMetaQuestの位置推定、どちらを選ぶかという話になってきます。どちらもメリットデメリットがあるのですが、体を大きく動かさないのであれば、光学式の方が安定しているため、ハリトラXの胸と腰を無効化するという案があります。ただ無効化したとしても、6点接続しないとHaritoraConfiguratorがNGを出すため、無駄に胸と腰を接続する必要があり面倒です。
また、SteamVR設定のトラッカーの管理から、設定値を無効に変更したとしても、接続中の●は残るためVRChat上でトラッカーが表示されてしまうようです。(恐らく無効化されているので無視していいかと思われますが)
SlimeVRの導入
HaritoraConfiguratorの代わりにSlimeVRとSlimeToraを使用することで、4点のみ接続で利用できるようになります。またVD側の設定はVirtualDesktop BodyTracking Configuratorで無効化が可能です。
図に表すと以下のようになります。HaritoraConfiguratorであった不要なViveトラッカーは非表示ですっきりします。
SlimeToraで4つのHaritorXをBluetooth接続した状態で、SlimeVR Serverを起動すると、SlimeToraで設定した4点のHaritoraXのトラッカーが表示されます。
どのトラッカーがどれに相当するかが分かりにくくて面倒ですが、トラッカー割り当てで左膝、左足、右膝、右足を設定すれば完了です。
全て設定した状態だと以下のように表示されるようになりこれで完了です。
設定後に追加されるViveトラッカーデバイスは以下のようになります。
Viveトラッカーデバイス名 | 動作 | 設定値 |
/devices/slimevr/human:://LEFT_FOOT |
緑 | 左足 |
/devices/slimevr/human:://LEFT_KNEE |
緑 | 左膝 |
/devices/slimevr/human:://RIGHT_FOOT |
緑 | 右足 |
/devices/slimevr/human:://RIGHT_KNEE |
緑 | 右膝 |
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
備忘録もかねて図を作成して、何をどうしたらいいのか概要が伝わるような記事にしてみました。
今度時間があれば、どのような精度が出るのか動画も撮って載せてみたいと思います。
コメント