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3DCG用テクスチャ作成ツールのPixPlantがすごい

以前からテクスチャ用のツールが欲しいなーと思っていたのですが、
先日 Bitmap2Material が Steam でセール中(¥ 10,300 → ¥ 6,798)になったので、
これを機会に買おうかなと少し調査しました。

もともと PixPlant か Bitmap2Material で迷っていたのですが、
PixPlant がかなり良さそうなので、
PixPlant の機能について少し紹介したいと思います。
2018/7/2の時点での情報となります。

PixPlantの公式サイト


PixPlantとは?

一言でいうと写真から3DCG用のテクスチャを作れるツールです。
上下左右が自然につながったテクスチャを簡単に作れます。

ライセンス

WindowsとMacで動作します。
有料のライセンスは2種類あります。

通常バージョン

$129 = 約 14800 円(税抜き)
通常バージョンとなります。
会社で買う場合は下記のフリーランスではないので、こちらかと思います。
4つ以上から割引価格になるようです。

フリーランスバージョン

$49 = 約 5600 円(税抜き)
フリーランス用(1人の会社用)となります。
上のライセンスと機能の違いはありません。
このライセンスは、所有者のパソコンでのみ使用できます。

デモバージョン

サイトからライセンスキーなしでダウンロードできるバージョンです。
名前をつけて保存でテクスチャを保存すると透かしが入ります。

購入方法

ここで購入が可能です。
購入する際は、使用許諾などの同意のチェックボックスが非常に小さいので注意
(タブキーとスペースキーを駆使してチェックをいれました!)

購入すると、メールでライセンスキーとダウンロードページが案内されます。
そこでライセンスキーを入力すればフルバージョンをダウンロードできます。

使い方

簡単な使い方を紹介いたします。
全ての機能を紹介はできませんが、イメージはつかめると思います。
とっても簡単なのでDEMOバージョンで是非試してみましょう!

1. テクスチャのサイズ設定
まず起動したらサイズを設定します。

上記はデフォルトの設定です。
「Both」だと上下左右がシームレスに接続されます。

2. 画面の右側の部分に画像をドラッグ&ドロップします。

3. 画像が読み込まれます。

4. 「Seed Wizard」を押すとパースペクティブ補正が行えます。

写真のひずみを消します。不要な部分はバッサリと消して、上下左右が平行になるようにしておきましょう。

5. 「Next」を押すと、1ブロックの設定が行えます。

ここは、最初から自動で認識しているようで楽々です。

6. あとは「<< Generate」を押せば完成!

すごく簡単!

もちろん非幾何学なテクスチャも自然に作れます。

↑写真1枚右側において、特に設定せず「Generate」押しただけですが、かなり自然です。

他にも複数の写真を元にして、1つのテクスチャを作成することも可能です。

さらに書ききれませんが、他に以下のようなことが可能です。

左側のテクスチャの画面で、ドラッグで範囲指定した後に、「<< Generate」を押すと、
範囲指定した中で、改めてテクスチャを自動で生成できるので、不自然な個所を直すことができる!

右側のシードとなるテクスチャでドラッグの範囲指定すると、
部分的に自動生成用のシードとして、使用しないようにマスクさせることができる!

3DCG上での見た目表示機能や、
ノーマルマップ用テクスチャや、AOの焼きこみなど色々できます!


最後は駆け足になりましたが、
上記で興味がわいた方は、Demoバージョンをぜひ試してみるとよいと思います!
あと、Youtubeでも操作している動画があるので見るとよいかも。

DirectXとOpenGLのカリングの設定方法の違い

はじめに

こんにちはー!
今日は、3D描写するときのテストの話をします。

テストと聞いて何を思い浮かびますでしょうか。
試験とか、勉強とかそんなことをきっと思い浮かべるでしょう。

作成した3Dポリゴンの頂点を描写するときも、
本当に描写していいのか、無駄ではないのか試験をしています。

いくつかテスト方法を紹介しましょう。

背面カリング(裏面カリング)
モデルは多くの3角ポリゴンから構成されています。
モデルが回転すれば、裏を向いているポリゴンが出てきます。
そんな裏を向いている面を描写しないようにテストします。

クリッピング
視錐台(しすいだい)の中に、ポリゴンが収まっているかどうかテストします。
例えば、カメラより手前側にポリゴンが来ていないかといったチェックです。

バウンディングボリュームなど
見えている部分をより特定していく方法です。
衝突判定などにも、高速化のために使用するよ!

今回は、この中でも裏面カリングの設定方法について解説します。


カリングの仕組み

3Dオブジェクトは、細かな三角形ポリゴンによって構成されています。
それは三角形が最も小さな単位だからです。

では、この三角形の裏と表をどのように決めればいいのでしょうか。
まず前提条件として、ディスプレイに三角形を表示することを考えます。
三角形を構成するためには、3点の座標が必要です。
この3点の座標を囲めば、ポリゴンを作ることができるのです。

これに対して、裏と表を決める方法は、
三角形を結ぶ順番が、時計回りか、反時計回りかで決めればいいのです。
そう、決めの問題なのです!

例えば、表向きを時計回りと考えてみましょう。
3角形の頂点を裏返した場合は、
反時計回りの順序になるので裏と表が分かるわけなのです。


カリングの計算方法

3つの頂点が、時計回りか反時計回りかは簡単に計算できます。

下記の3つの頂点があり、a, b, c の3点を順番に通る三角形を考えます。
なお、2次元なので、 x と y 以外は 0 としています。

そして、
a, bへ向かうベクトルmを計算します。
a, cへ向かうベクトルnを計算します。

あとは、クロス積を計算しましょう。
計算にはmnの各ノルムと角度θを使用しますが、
ベクトルのまま計算することもできます。
なお、a, b, c の3次元目が 0 のため、下記のように簡略化されます。

クロス積の結果は、mnと直行するベクトルです。
従って3次元目の成分 、直行成分となっており、正負で方向が分かります。

ね!かんたん!


カリングの設定方法

各種エンジンでの設定方法をまとめてみます。
mk様の算譜記録帳にもまとまっております。

DirectX 9

次のように、裏面(描写しない面)が時計回りなのか、反時計回りなのかを設定します。
つまり、時計回りを表とみなす場合は、D3DCULL_CCWを設定する必要があります。

参考:D3DCULL

// 背面のカリングはしません。
SetRenderState(D3DRS_CULLMODE, D3DCULL_NONE);

// 三角形の頂点が時計回りならば裏向きと見なし描画しません。
SetRenderState(D3DRS_CULLMODE, D3DCULL_CW);

// 三角形の頂点が反時計回りならば裏向きと見なし描画しません。(デフォルト)
SetRenderState(D3DRS_CULLMODE, D3DCULL_CCW);

DirectX 11

FrontCounterClockwise で表面の定義をして、
CullMode で描写しない面の設定が可能です。

参考:D3D11_RASTERIZER_DESC

// 三角形の頂点が反時計回りならば三角形は前向き
FrontCounterClockwise = TRUE;

// 三角形の頂点が時計回りならば三角形は前向き(デフォルト)
FrontCounterClockwise = FALSE;

// 常にすべての三角形を描画します。
CullMode = D3D11_CULL_NONE;

// 前向きの三角形を描画しません。
CullMode = D3D11_CULL_FRONT;

// 後ろ向きの三角形を描画しません。(デフォルト)
CullMode = D3D11_CULL_BACK;

OpenGL

glFrontFace で表面の定義をして、
glCullFace で描写しない面の設定が可能です。

参考:glFrontFace, glCullFace

// 三角形の頂点が時計回りならば三角形は前向き
glFrontFace(GL_CW);

// 三角形の頂点が反時計回りならば三角形は前向き(デフォルト)
glFrontFace(GL_CCW);

// 常にすべての三角形を描画します。
glDisable(GL_CULL_FACE);

// 前向きの三角形を描画しません。
glEnable(GL_CULL_FACE);
glCullFace(GL_FRONT);

// 後ろ向きの三角形を描画しません。(デフォルト)
glEnable(GL_CULL_FACE);
glCullFace(GL_BACK);

おわりに

今回は、描写テストでも基本的なカリングの解説をしました。

カリングは計算も簡単で、
お手軽に描写負荷を下げることができます。

レンダラーを作る方や、
頂点とインデックスで構成された
モデルデータのローダーを作成する方などの参考になると幸いです。

では、またね!


関連記事

3DCGの座標系の紹介
DirectXとOpenGLの回転行列、回転軸、回転方向
DirectXとOpenGLのビュートランスフォーム行列の違い
DirectXとOpenGLの射影トランスフォーム行列の違い
DirectXとOpenGLのビューポート行列の違い
DirectXとOpenGLのベクトル/行列演算の違い

DirectXとOpenGLのベクトル/行列演算の違い

はじめに

こんにちー。
なたでです。

今日も引き続き勉強会です。

これまで、座標系とその変換を学んできました。
今回、実際にその計算を行うため、
具体的にはベクトルや行列演算について
どのようにソースコード上で書けばいいか学んでいきましょう。

ということで・・・
DirectX、OpenGL、各シェーディング言語の型や計算の特徴をまとめるぞー!(おー!)


言語ごとのベクトルと行列の演算

主流なエンジンでのベクトルと行列の型の例の紹介と、演算例を確認しましょう。
.

DirectX

D3DXVECTOR4
x, y, z, w成分を持つ横ベクトル
D3DXMATRIX
4行4列の行列
D3DXMatrixMultiply
行列同士の掛け算を行う

// ベクトル(横ベクトル)の宣言
D3DXVECTOR4 v4 = D3DXVECTOR4( x, y, z, w);
D3DXVECTOR4 v3 = D3DXVECTOR3( x, y, z);
// 行列の宣言
D3DXMATRIX M = D3DXMATRIX(
	_11, _12, _13, _14,   // row 1
	_21, _22, _23, _24,   // row 2
	_31, _32, _33, _34,   // row 3
	_41, _42, _43, _44 ); // row 4
// 行列同士の掛け算 A * B = C
D3DXMatrixMultiply(&C, &A, &B);
// ベクトルのドット積 a・b = c
c = D3DXVec3Dot(&a, &b);
// ベクトルのクロス積 a×b = c
D3DXVec3Cross(&c, &a, &b);
// 3次元ベクトルと4x4行列との積 aM = b
D3DXVec3TransformCoord(&b, &a, &M)

.

HLSL(High Level Shading Language)

DirectX用のシェーディング言語です。

float4
x, y, z, w / r, g, b, a 成分を持つ横ベクトル
float4x4
4行4列の行列
mul

// ベクトル(横ベクトル)の宣言
float4 v4 = float4( x, y, z, w);
float3 v3 = float3( x, y, z);
// 行列の宣言
float4x4 M = float4(
	_11, _12, _13, _14,   // row 1
	_21, _22, _23, _24,   // row 2
	_31, _32, _33, _34,   // row 3
	_41, _42, _43, _44 ); // row 4
float4x4 M = float4(
	_m00, _m01, _m02, _m03,   // row 1
	_m10, _m11, _m12, _m13,   // row 2
	_m20, _m21, _m22, _m23,   // row 3
	_m30, _m31, _m32, _m33 ); // row 4
	
// 行列同士の掛け算 A * B = C
C = A * B;
// ベクトルのドット積 a・b = c
c = dot(a, b)
// ベクトルのクロス積 a×b = c
c = cross(a, b)
// n次元ベクトルとnxX行列との積 aM = b
b = mul(a, M);

補足として成分ごとの演算 (DirectX HLSL)によると、
行列のコンストラクターのパッキング順は、常に行優先になるとのことです。

.

OpenGL

GLdouble v[4];
4つの値を持つ縦ベクトル(型はGLfloat / GLdouble の2種類)
GLdouble M[16];
4行4列の行列(型はGLfloat / GLdouble の2種類)
glMatrixMode + glMultMatrix
行列同士の掛け算を行う

// ベクトル(縦ベクトル)の宣言
GLfloat v4[4] = { x, y, z, w };
GLfloat v3[3] = { x, y, z };
// 行列の宣言
GLfloat M[16] = {
	m00, m10, m20, m30,	// column 1
	m01, m11, m21, m31,	// column 2
	m02, m12, m22, m32,	// column 3
	m03, m13, m23, m33	// column 4
};

// OpenGL単体では計算には向いていない
// OpenGLでは、あらかじめ設定した行列に対して操作を行うことができる

// 行列同士の掛け算 A * B = C
glMatrixMode(GL_MODELVIEW); // とりあえずモデルビュー変換用の行列で計算する
glLoadMatrixf(A);	// A をロードする
glMultMatrixf(B);	// A * B
glGetFloatv(GL_MODELVIEW, C)	// 計算結果を取り出す

注意点として、縦ベクトルのため行列との掛け算は Mv の順序で計算されます。
作成した行列を最終的にベクトルvに対して掛け算をするため、
行列を準備する際は、逆の順番で行列同士の掛け算が必要となります。
.

GLSL(OpenGL Shading Language)

OpenGL用のシェーディング言語です。

vec4
x, y, z, w / r, g, b, a / s, t, p, q 成分を持つ縦ベクトル
mat4
4行4列の行列

// ベクトル(縦ベクトル)の宣言
vec4 v4 = vec4( x, y, z, w);
vec3 v3 = vec3( x, y, z);
// 行列の宣言
mat4 M = mat4(
	m00, m10, m20, m30,	// column 1
	m01, m11, m21, m31,	// column 2
	m02, m12, m22, m32,	// column 3
	m03, m13, m23, m33	// column 4
);

// 行列同士の掛け算 A * B = C
C = A * B;
// ベクトルのドット積 a・b = c
c = dot(a, b)
// ベクトルのクロス積 a×b = c
c = cross(a, b)
// nxX行列とn次元ベクトルとの積 Ma = b
b = M * a;

OpenGLのヘルパー関数(glMatrixMode、glMultMatrix)と違って、
固定化された行列に対して操作していく必要はありません。
行列を掛け算していくときは、次のように1行に1つの掛け算を順番に書くことができます。

// 最後の計算が、aM = b の場合(ベクトルが縦行列なので実際はできない)
B = A * B;
C = B * C;
X = v * C;

// 最後の計算が、Ma = b の場合(ベクトルが縦なのでこの書き方できる。)
B = B * A;
C = C * B;
X = C * v;

.

WebGL

標準では用意されていないため、
次のようなJavaScriptライブラリを使用して管理します。(いろいろある)
glMatrix
vec3など、GLSLと似た感覚の型名をもてる(列管理)
Sylvester
古くからある行列用の一般的なライブラリ。WebGLでも拡張jsを追加すれば利用可能(行管理)

多くのライブラリで共通して言えることは、
OpenGLと同様に、行列のデータを列でもつことです。

[0,  1,  2,  3, // 1列目
 4,  5,  6,  7, // 2列目
 8,  9, 10, 11, // 3列目
12, 13, 14, 15] // 4列目

この理由は、あらかじめ列で持っていくことで、
変換行列を uniformMatrix4fv などでGPU内のシェーダーに
アップロードする際に余計な変換をする必要がないためです。


縦ベクトルと横ベクトルの違い

これまで、DirectXではベクトルは横ベクトルとなって
行列と掛け算するときは、vMとなる。
そして、OpenGLではベクトルは縦ベクトルとなり
行列と掛け算するときは、Mvとなることが分かりました。

しかも、行列を初期化する際の順序も
行で初期化するのか、列で初期化するのか、混乱してきます。

一度ここで、整理したいと思います。

次のような3×3行列を考えましょう。

DirectXの横ベクトルで演算した場合、次のようになります。

OpenGLの縦ベクトルで演算した場合、次のようになります。

そして、ソースコード上、行列を初期化する場合は次のようになることです。

ここまでを、まとめると、非常に複雑で混乱しそうです。
しかし、よくみると気が付くことがあります。

初期化時の配列の位置と、実際に掛け算したときの結果を色付けしました。

なんと、DirectXとOpenGLとで一見、違いがないではありませんか!
これは初期化の順序が異なりますが、掛け算する順序も変わるため
最終的には、コード上の見た目の順序でいえば、掛け算の結果は一致するわけです。

もちろん、行列同士を掛け算する際は、DirecXとOpenGLとで掛ける順序を気にする必要はありますが、
上記のことをしっていると少し混乱がおさまるかとおもいます。


おわりに

今回は、実際の行列/ベクトル演算の書き方を確認しました。

DirectXとOpenGLとで、掛け算をする順序がことなること、
行列の初期化方法が異なることが分かりました。
ただ、掛け算の順序と行列初期化方法の違いにより、
見た目上の掛け算は、一致している部分があることも分かりました。

以上、お疲れ様です。


おすすめの勉強本

DirectXとOpenGLのビューポート行列の違い

はじめに

こんにちは!
3DCGの再勉強中のなたでです!

今まで、次の変換行列の違いをみてきました。

・DirectXとOpenGLのビュートランスフォーム行列の違い
・DirectXとOpenGLの射影トランスフォーム行列の違い

本日は変換の最後のビューポート行列の違いを調べてみましょう。
といっても、ここまでくると右手座標系・左手座標系という話はなくなっているので、
DirectX と OpenGL とで、きっと同じだと思いますが……。

おさらいですが、ビューポート変換は
正規化デバイス座標系から、スクリーン座標系への変換となります。

関連記事です。もし読んでないなら下から上に読んでいくといいよ!
DirectXとOpenGLの射影トランスフォーム行列の違い
DirectXとOpenGLのビュートランスフォーム行列の違い
3DCGの座標系の紹介
DirectXとOpenGLの回転行列、回転軸、回転方向


数式の比較

.

DirectX

D3DVIEWPORT9構造体でビューポートの定義をして、
SetViewportで設定できるようです。

行列というよりは設定値ですね。
ちなみにデフォルト値は次のようです。

D3DVIEWPORT9 vp;
vp.X = 0;
vp.Y = 0;
vp.Width = RenderTarget.Width;
vp.Height = RenderTarget.Height;
vp.MinZ = 0.0f;
vp.MaxZ = 1.0f;

vp.X, vp.Y が描写する左上の座標
vp.Width, vp.Height が描写幅
vp.MinZ, vp.MaxZ が深度値の変換です

なお、実際の行列自体は、ビューポートとクリッピング (Direct3D 9)に記載されています。

.

OpenGL

OpenGLでも行列というより関数になっています。
glViewportglDepthRangeで直接設定する形です。

void glViewport( GLint x, GLint y, GLsizei width, GLsizei height);
これの注意点として、ウィンドウで設定している場合は、左下が原点になります。
Windowsの原点は右上で、下に行けばy+にいくのに対して、
glViewportの原点は左下で、上に行けばy+になるわけです。

void glDepthRange( GLdouble nearVal, GLdouble farVal);
描写先の深度値変換の設定です。
0 – 1が初期値です。
※参考 [DEV][CG]DirectXのPerspectiveとOpenGL Frustumの違い

なお、行列は次のようになります。

※参考 ビューポート変換行列 – code snippets

行列は何を表しているのでしょうか

これまでのおさらいをしましょう。
カメラ座標系から射影トランスフォームをしたものがクリッピング座標系になり、
クリッピング座標系から x, y, zw で割った遠近除算したものが
正規化デバイス座標系です。この正規化デバイス座標系から、スクリーン座標系へ変換します。

この正規化デバイス座標系は、次の値の範囲に収まります。
-1 <= x <= 1
-1 <= y <= 1
-1 <= z <= 1 (IF OpenGL)
0 <= z <= 1 (IF DirectX)

これらをふまえて、まず DirectX の行列

この式が実際にどのようなことをしているか考えてみましょう。
実際に計算すると次のようになります。

行列の計算は次のようになるので、

ベクトルに行列を掛け算して、式変形すると次のようになります。

同じく、OpenGLの行列も計算してみましょう。

さきほどのおさらいで x, y,がとる範囲(-1~1)をみるとわかるように、
行列の計算によりオフセットの位置から、ウィンドウの幅分へ引き延ばしていることが分かります。
ここで、ウィンドウの大きさに引き延ばすからこそ、前回の 射影トランスフォーム行列 にて、
ウィンドウのアスペクト比を使用して補正していたのですね。

1つ気になるところといえば、DirectXでは が反転している点があります。
これはDirectXの出力先のスクリーン画面では、yが大きいほど下方向に描写されるためです。
3D空間上ではもちろん上がプラスため、ビューポート変換で反転しているわけです。

OpenGLの場合は、そもそも出力先のスクリーン画面が上がプラスの設計のため
行列を作っても y の反転は不要となっております。

z については、0がMinZ に 1がMaxZ になるような式になることが分かります。

DirectXとOpenGLとで、射影トランスフォーム後の 値の範囲が異なるため
微妙に式が違っています。実際に計算してあてはめると次のようになります。

OpenGLでも結局、最終的なz値は 0 <= z <= 1 の範囲に収めているようですね。

なお、この MinZMaxZ の設定を利用すると、たとえば、
1度目の描写は、MinZ = 0.0, MaxZ = 0.5
2度目の描写は、MinZ = 0.5, MaxZ = 1.0
のように、1度目の描写の後ろ面に、2度目の描写を行うといったことができます。


おわりに

ここまでのいくつかの回で、
3DCGに必要な座標系と、その座標系への変換をまとめました。
そして、右手系と左手系、OpenGLとDirectXとで
数式のどこに差が表れてくるのかが分かりました。

これまでDirectXを使っていた方が、WebGL(OpenGL)を始めたい。
逆に、WebGLを使っていた方が左手座標系のUnityを使いたいなどがあるかもしれません。
そんな時に、これらのまとめを見て、座標系や、
DirectX/OpenGLの各変換のこと動きを知っておくと
理解が進みやすいのかなと思います。

以上、ありがとうございました。

DirectXとOpenGLの射影トランスフォーム行列の違い

はじめに

こんにちは!

引き続いて座標変換の話をします。
本日は射影トランスフォーム行列を覗いてみましょう。

前回の関連記事(予備知識として下から上に読んでおきましょう)
DirectXとOpenGLのビュートランスフォーム行列の違い
3DCGの座標系の紹介
DirectXとOpenGLの回転行列、回転軸、回転方向


数式の比較

.

DirectXとOpenGLのヘルパー関数

これまでと同様、行列作成用の関数が用意されています。

DirectX
matrix *D3DXMatrixPerspectiveFovLH( matrix *pOut, float fovy, float Aspect, float zn, float zf );
左手座標系のパースペクティブ射影行列を作成
matrix *D3DXMatrixPerspectiveFovRH( matrix *pOut, float fovy, float Aspect, float zn, float zf );
右手座標系のパースペクティブ射影行列を作成

OpenGL
void gluPerspective( double fovy, double aspect, double zNear, double zFar);

.

ヘルパー関数を使用したときに作成される行列

DirectXは、マイクロソフトのページの行列
OpenGLは、OpenGLプログラミングメモの「gluPerspectiveを置き換える」の行列を参考にします。

式は、DirectXのD3DXMatrixPerspectiveFovLHをベースにして、
ゲーム3D数学完全ホワイトボックスなパースペクティブ射影変換行列
を参考にしつつ、式変形したものを示します。

引数は次の通り
fovY  視体積の上下方向の視野角(0度から180度)
Aspect 近平面、遠平面のアスペクト比(Width / Height
Far  カメラから遠平面までの距離(ファークリッピング平面)
Near  カメラから近平面までの距離(ニアークリッピング平面)

一度これらを次のようにまとめます。
zoomYの逆関数、Aspectの求め方を補足で書きました。

上記の変数を使用して、DirectXとOpenGLの各行列を書くと次のようになります。

.

右手系と左手系の違い

D3DXMatrixPerspectiveFovLHとD3DXMatrixPerspectiveFovRHを比較すると分かりやすいのですが、
行列の3行目の正負が反転しています。
D3DXMatrixPerspectiveFovRHと同じ右手系のOpenGLのgluPerspectiveの3行目の正負が等しいです。
この正負の反転により、掛け算の最終結果のZ値の値を反転させています。

これまで右手座標系の計算では手前をZ値のプラスとして考えていましたが、
この反転の計算により、奥をプラスに変換させます。
つまり左手座標系へ変換させているわけです。
.

行列は一体何をしているのか

一度、このプロジェクショントランスフォーム行列の式を実際に使用した場合を少し考えてみましょう。
行列は、ベクトルに掛け算して使用します。

掛け算した結果は、クリッピング座標系・クリップ座標系と呼ばれます。そして、この座標系から、wで割ったものが正規化デバイス座標系と呼ばれます。

上記の式からx値とy値については、簡単に何をしているのか想像がつくようになります。ABzoomXzoomYですので、アスペクト比に関わる値を掛けて縦と横幅を調整することに繋がっています。

z値に関しては、上記の式変形ではまだ分かりにくいので、さらに値を代入して数式を変形していきましょう。
今回は、分かりやすくD3DXMatrixPerspectiveFovLHの値を代入しました。

このようにすると、zの値が、NearからFarまでの値をとると、0~1の結果になることが分かるかと思います。

さらにイメージしやすくなるように、1と10の値を代入してみましょう。

これをグラフに書くと次のようになります。

xが1から10をとると、f(x)が0から1までをとることが分かります。

射影行列を位置ベクトルに掛け算した結果のz値の値を、0未満と1以上の場合を表示させないと作ることで、
NearからFarまでにある座標のデータを表示させるという作りが可能となります。
なお空間のNearからFarまでを切り出すため、クリッピング座標系と呼ばれていると思われます。

ところで、数式から分かるように Near = Far と設定してしまうと、0割り算エラーが発生してしまいます。
ある程度値を持ったうえで、 Far > Near となるような値を設定する必要があります。

DirectXとOpenGLの式の違いの理由

右手系の行列を作成するD3DXMatrixPerspectiveFovRHと
右手系のOpenGLのgluPerspectiveとの式が微妙に異なることにお気づきでしょうか。
本来同一になるはずなのに、Near Far が関係するZ値の計算部分が少し違います。

なぜ、このようになっているのでしょうか。

先ほどと同じようにグラフを作ってみましょう。

さらに、NearFarの値を適当に決めてグラフを描きます。

なんと、OpenGLでは、xが1から10をとると、f(x)が-1から1までをとります。
OpenGLの射影変換後のz値は正負をとるということになります。

DirectXではz値が0から1なので、このような違いが行列に現れてきたのです。


おわりに

今回は、座標系の変換の中で最も?よくわからない
プロジェクショントランスフォーム行列をとりあげました。

右手座標系だったものはこの変換により左手座標系になることが分かりました。

DirectXの右手座標系のD3DXMatrixPerspectiveFovRHと
OpenGLの右手座標系のgluPerspectiveは基本的に同じですが、
DirectXのZ値は0~1までに正規化されるのに対して、
OpenGLのZ値は-1~1までに正規化されるため
微妙に行列が違っているということが分かりました。

よくわからない式もグラフをかくと、分かりやすくてよいですね。

以上。おつかれさまでした!

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