カオスラウンジとpixivの現代アートの話

著作権
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はじめに

今回、カオスラウンジの件でネット上の炎上していたため私が個人的に思っていることをからめてお話ししたいと思います。

pixiv関連の記事として、以前のトレース問題の記事に久しぶりに著作権の話 pixiv運営編を書いています。私が著作権についてどう思っているのかという経緯とか興味があったらどうぞ。(^^ゞ

何がおきているのか

背景

今月に入りpixivで問題が起こっているようです。

以下、関連記事です。

まとめると、次のようになっています。

  1. 以前までのあらすじ
  2. pixivには「カオスラウンジ」による画像が貼られている。
  3. 「現代アート」のタグでpixivに「ふたばちゃんねる」などで流行っていたコラ画像などが貼られる。(現代アート祭り)
  4. 「現代アート」に含まれる画像が削除される。

3. の「現代アート」祭りの詳細については、以下の(匿名推奨のスレッドの)匿名希望のレスを参照して下さい。

無念 Name としあき 11/07/21(木)04:32:43 No.64387014

とりあえずまとめいくつかあるから読むのが早いhttp://slashdot.jp/submission/43288/
pixivと営利関係がある現代アート集団と一般ユーザーの作品を同じ内容で通報
一般ユーザーの方だけアクセス制限されたけど運営さんどういう事?と聞く
なぜか説明なしで一般ユーザーのアクセス制限解除
現代アートって言えばpixiv上では何やっても許されるんですか!やったーってなって
三次コラやら知らないオッサンやらを「現代アート」として大量投下し始めて
向こうの削除人とバトルが始まって今に至る
で場当たり的に削除するもんだから面白がられてチキンレースが始まったり
アート集団のコラ画像のコラ画像作って消されたり
横で見てた一般ユーザーが変な角度の絵描き始めたりしてる

ふたば☆ちゃんねる運営の二次元裏@ふたばより
スレッド「無念 Name としあき 11/07/21(木)03:07:20 No.64380959 現代アート祭り」より
No.64387014さんから引用

問題の焦点

私が考える問題は以下の2つだと思います。

  • 祭りの原点となった、「カオスラウンジ」
  • pixivに投稿した画像が運営により削除されるなどpixiv運営の問題

カオスラウンジの問題について

カオスラウンジとは

「カオスラウンジ」とは、「アーティスト・藤城嘘によって2008年から行われている展示&ライブペイント企画」(公式サイトより)です。

なぜ非難をうけているか

カオスラウンジによる作品は、ネット上の人から非難をうけています。どういうことについて非難をうけているか。詳しいことは、「vikipodia」を参照してください。

要点だけ、elphosさんの「カオスラウンジ問題の整理・解決されていない事柄」の記事から引用したいと思います。

要点1
「匿名作者の作品の無断利用と改変」
「そのまま利用する必要があるのかという説明が周囲を納得させる物では無かった」
「その説明を一方的にしたあと作品の撤回もキャラ差し替えも行わなかった」
「匿名作者の作品の無断利用」
要点2
「iPhoneケース回収騒動」
「明らかにガイドライン違反のロゴ使用や著作物の無断利用がなされているケースがあるが許可は取ってあるのか?」
「著作物・商標を多く使った梅ラボ作品について、権利者に許可を取っていないことを
デザインガーデンなどの企業・組織に伝えないまま販売・宣伝を依頼しているのでは無いか?」
要点3
偽札の作成・販売疑い」また「カオスラウンジが関与するイベント内でそれが黙認されたこと」
要点4
「トークイベントアート2.5における梅ラボ作品が犯罪なら、同人誌も犯罪だ」と取れる一連の発言
「黒瀬氏及び梅ラボ氏は権利問題への知識や提言・二次創作や
同人業界への基本的な知識も無いままアートと称して作品を売ってるのでは無いか」

以下、要点に対して私なりの解釈を行います。

要点1

コラージュアートの一部にネットで拾った画像を無許可で使用したということが問題になっているようです。

私はこれについて、芸術作品の一部分に必要な部品として利用しているというのが興味があります。例えば、音楽だって昔のレコードの一部分をサンプリングして利用するということもあります。サンプルした物それだけで作品とするのは完全にブラックですが、それを利用して作ったので(完全ではない)ブラックです。

ただ、著作権の権利侵害で実際に問題とする場合には、権利者が告訴する必要があります。という点で、これは「その説明を一方的にしたあと作品の撤回もキャラ差し替えも行わなかった」が特に問題でしょうか。作品の無断利用の件は、ネット上で無断で作成した二次的著作物が多くあり、珍しいことではありません。

となると、二次的著作物でコラージュを行っているという点に、何か彼らの考えがあるのかもしれません。例えば、「無断製作の二次的著作物は、コピーレフトである。だから彼らも、その二次的著作物を製作者の思想を尊重し、無断使用をするんだ。」というような考え方です。

要点2

要点2は、要点1と同じようです。

中止となった理由は、富士フイルム株式会社のサービスであるiPhoneケースの販売サイトガイドラインの規約に違反したため炎上したとのことです。

ガイドラインの規約から引用

a)第三者の著作物またはサービスマーク(商標)を使用したり、真似たりしている、また、そのように判断されるおそれのあるもの
b)第三者の肖像を使用したり、著名人の氏名・肖像・特徴などを使用したり真似たりしている、また、そのように判断されるおそれのあるもの
c)第三者の名誉や、信用や、プライバシーを侵害するおそれのあるもの
d)猥褻的(児童ポルノを含みます)または暴力的な画像で、また、そう判断されるおそれのあるもの
e)犯罪的行為に結び付くもの
f)法令・条例に反するおそれのあるもの
g)上記各号のほか、当社が不適切であると判断した場合

a),e),f),g)のどれかに抵触したと思われます。

要点3

要点3は、1000円札を印刷して、1000円でアートとして販売したり1万円札をコピー(福澤諭吉の目に黒マジックで線をいれて、ダンボールにのり付け)したのをアート作品の一部に使用したりした問題です。

カオスラウンジは、通貨偽造を知らなかったのか、どうみても偽札なので問題ないと思ったのか、
アートだから許されると思ったのか、どれにしても故意ではないような気がします。そのため、2度目は行わないと思います。(もちろん1回目でも犯罪なので悪いことですが。)2度目があったときや、常に公開するような場合になったときこそ、初めて問題になると思います。

要点4

要点4は、「犯罪なら、(二次創作を許可していない著作物の二次創作した)同人誌も犯罪だ」という発言です。私もこれには同意です。問題ではありません。

結論

では、要点1~4をみて、なぜ「カオスラウンジ」が非難をうけているのか考えてみましょう。

私は著作権の問題ではないと思います。それは、著作権の違反はネット上では日常茶飯事であり、著作権の問題で非難をうけているなら、その他の(二次創作を許可していない著作物の二次創作を行う)同人作家なども非難を受けているはずだからです。

ただ一つ違うことは、多くの人々から非難されるようなことをしているんだと思います。

  1. 著作者から問題を指摘されても、修正をしない
  2. 多くの人から愛されているキャラクターに落書きをしたり、踏み絵にしたりする。
  3. 著作権違反を公の場で堂々と行う

他の人と違うことは上記の3つだと思います。これらは重大な問題なのですが、彼らは、これぐらいの問題なら、芸術家としては許容範囲だと思っているんだと思います。

補足として、卵白ラジオ第四回 05/22/11の1:30:00ぐらいから彼らの考え方を話しています。

pixiv運営の問題について

二次創作物の扱いに統一性がない

今回騒動を受けて、現代アートの画像を削除している件でなぜ、pixiv運営が削除したのか私には合理的な理解ができません。おそらく、炎上しているから鎮火したいといった、単純な考えであるように見えます。

私がなぜ合理的な理解ができないといった理由ですが、そもそも今まで、多くの著作権違反の問題が考えられるであろう二次創作物がアップロードされていました。そしてこれまで、一度も大規模に削除されることはなかったと理解しています。だからこそ、pixivは人気になったんだと思います。

多くの人からの指摘を受けたために起きた運営の判断ミスだと私は感じます。「現代アート」タグがついたものを中心に削除していることからも混乱している様子がします。

もし運営の判断ミスではない。つまり「著作権違反の問題が考えられる二次創作物を削除する」という方針に切り替えたのなら、pixivには、自分のオリジナル絵か、東方などの二次創作が正式に許可されている絵の2つしかアップロードできなくなる可能性があります。

そういう点で、最近はpixivに代わるサイトとして、巷で取り上げられているTINAMIのような別サイトに移行するのは一つの手段になると思います。

利用規約への批判について

批判の中には以下の利用規約の「2と3が納得できない」だっていう意見もありました。

第17条 画像等の情報の使用許諾等
1.本サービスを利用して投稿された画像等の情報の著作権その他一切の権利は、当該画像等を創作したユーザーに帰属します。
2.当社は、ユーザーが投稿する画像等の情報を、本サービスの円滑な提供、当社システムの構築、改良、メンテナンスに必要な範囲内で、使用及び改変することができるものとします。
3.当社が前項に定める形で画像等の情報を使用するにあたっては、情報の一部又は氏名表示を省略することができるものとします。

pixiv利用規約から

私としては、イラストに特化したSNSなら、画像のプレビュー表示とか、これからのサービスを考えると、必ず必要だと思います。TINAMIのように、利用目的も書けば、疑念をぬぐい去ることが出来るかもしれません。

コメント

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